虫歯治療に一般的に使われている金属にも、金属アレルギーのリスクが存在します。
現在の保険治療による差し歯、ブリッジ、かぶせ物は金属を使用している場合が多く、メタルボンドと呼ばれる自費治療にも土台に金属を使用しているため、アレルギーの方には金属フリーのものが推奨されています。
歯科治療に使用した金属が長い間に口の中に溶け出し、それが体に取り込まれてアレルギー反応を起こしてしまうことが原因です。
金属アレルギーの原因となりやすい主な金属
コバルト、スズ、パラジウム、インジウム、イリジウム、クロム、ニッケル、水銀 など
※歯科医師会雑誌から抜粋
30歳代女性の症例(主訴:アトピー性皮膚炎)
【初診時】
7歳のときアトピー性皮膚炎を発症。12歳までステロイドを外用し、その後も症状は良好であった。ところが、第一子出産(34歳)後に、アトピー性皮膚炎が再発した。皮膚科で、ステロイド、プロトピックおよび漢方治療を行うも症状は改善しなかった。その後、アレルギー専門医に転医し、アレルギー検査の結果、歯科金属アレルギーが疑われた。


50歳代男性(主訴:掌蹠膿疱症)
33歳のとき掌蹠膿疱症を発症するも、ステロイド外用で症状は軽減していた。ところが53歳のときに、歯科医院で右下臼歯部に金属製のブリッジを装着してから、症状が悪化し、ステロイドを使用するも改善しなかった。そのため、担当の歯科医院が金属アレルギーを疑いをもった。

【治療後】